株って何?~株の基本についてわかりやすく解説~

株とは何か?

ほとんどの方はなんとなく耳にしたことがあると思いますが、そもそも株(正式には「株式」)って何?という問いに正しく答えられますでしょうか。

株とは、「企業が事業に必要な資金を集めるために発行する証書」のことです。
企業にお金を出したことを証明する文書なので、「出資証券」とも言われます。

企業が事業を始めたり、成長させていくためには大きな資金が必要ですよね。
そこで、企業は「投資家」と呼ばれる人たちから資金を募り、資金を出してくれた投資家に、その証明書として「株」を発行するわけです。
事業が成長したあかつきには、その利益を投資家に還元するため、事業の成長は投資家にも大きなメリットがあります。これが株の基本です。

企業が資金を集める方法

企業が資金を集めるためには、大きく分けて以下の2つの方法があります。

①銀行などの金融機関からお金を借りる
②株を発行して投資家から資金を集める

もう少し詳しく見ていきましょう。

①銀行などの金融機関からお金を借りる

ひとつは、銀行などの金融機関からお金を借りる(融資を受ける)という方法で、「間接金融」といいます。
この場合、企業はお金を借りた銀行などに利子を付けてお金を返さなければいけません。また、お金を借りる際、返済する力があるかという審査にも通る必要があります。

間接金融のイメージは以下の通りです。

「お金を借りる人」と「お金を貸す人」の間に銀行という第三者が介入して、間接的に資金調達を行うことから、間接金融と呼ばれています。

間接金融では、企業の倒産リスクを銀行等の金融機関が負うため、預金者は銀行が破綻しない限り資金の安全性が保たれます。「預金する」ということは、個々の企業の業績変動や倒産リスクを負わないものの、間接的に企業に投資をしていることになります。

②株を発行して投資家から資金を集める

もう一つは、株を発行して投資家から資金を集めるという方法で、「直接金融」といいます。

この場合、集めた資金の返済義務はありませんが、その代わりに、集めた資金で利益を挙げた場合、その一部を投資家に還元します。一般の投資家から資金調達を行いたい場合、企業はいずれかの株式市場に「上場」する必要があります。

直接金融のイメージは以下の通りです。

証券会社と証券取引所が窓口として間に入るものの、企業は直接的に投資家から資金調達を行うことから、直接金融と呼ばれています。

直接金融では、企業は集めた資金の返済義務がないため、投資家は自身で企業の業績変動や倒産リスクを負うことになりますが(つまり、元本割れのリスクもあるが、投資額以上の責任(借金)は負わない)、企業が業績を伸ばしたり、大きく成長した場合、大きな利益を得ることができます。

プチまとめ

間接金融と直接金融のメリットとデメリットを簡単におさらいしておきます。

①銀行などの金融機関からお金を借りる・・・間接金融

特徴:ローリスクローリターン型
メリット
・企業の業績変動や倒産リスクは銀行などの金融機関が負う
・預金したお金は原則、担保される
デメリット
・預金額に対する利回り(利息)が低い

②株を発行して投資家から資金を集める・・・直接金融

特徴:ハイリスクハイリターン型
メリット
・投資額に対する利回り(利息)が高い
デメリット
・企業の業績変動や倒産リスクなどを自身が負う
・元本割れのリスクがある
 ただし、投資額以上の責任は負わない(倒産しても借金は背負わない)

株を買うとは?

では、株を買うということはどういうことでしょうか。

株を買うとは、その会社の出資者になるということ、つまり会社のオーナー(株主)になるということです。

間違われがちですが、会社(株式会社)は誰のものかというと、社長のものではなく、実は「株主」のものなのです。そして、会社が挙げた利益は、その会社で働く社員や社長ではなく、株主のものになります。社員の給料というのは、その会社が事業を継続・成長させるための経費として扱われます。

株を買い、株主になるということは、会社の業績変動等のリスクを負う分、以下のような権利を得ることができます。

①「配当金」を受け取る権利
②「売却益」を期待できる権利
③「株主優待」を得られる権利
④「経営」に参加する権利

それぞれ簡単に説明しておきます。

①「配当金」を受け取る権利

会社が事業活動を通じて得られた利益は、さらなる事業の発展のために再投資を行うか、株主に利益を還元する形で分配されます。この株主に分配されるお金を「配当金」と呼び、保有株数に応じて、個々人の証券口座等に入金されます。
配当金は「インカムゲイン」とも呼ばれており、完全な不労所得で、株を買う醍醐味の一つでもあります。

②「売却益」を期待できる権利
株を買うということは、当然保有した株を売る権利も発生します。株価というのは日々様々な要因で変動するため、保有している株が買ったときの値段より高く売れた場合、その差益分の利益を獲得することができます。ただ反対に、買った時の値段より安く食ってしまった場合、その差益分の損失を被ることになりますので、必ずしも儲かるとは限りません。
売却益は「キャピタルゲイン」と呼ばれています。株式投資というと、一般的にはこちらのイメージが強いかもしれません。

③「株主優待」を得られる権利
株主優待は、「単元株数以上の株を保有している株主に対して、自社製品やカタログ・商品券といった様々なサービス・物品を提供すること」で、内容は会社により規模も種類も様々です。また、すべての会社に株主優待があるわけではなく、株主優待のない企業もありますので、もし株主優待が欲しいという場合は、事前に株主優待の有無や内容について調べておく必要があります。
またこの株主優待、実は全世界で見ても、日本だけで実施されている珍しい制度です。

④「経営」に参加する権利
株を買って株主になると、「株主総会に出席して、会社の方針決定等の重要な意思決定に参加(意思表明)する」ことができます。
ただし、意思決定に与える影響は一人一票ではなく、保有する株数によって異なり、多ければ多いほど、意思決定における影響度合いが大きくなっていきます。

まとめ

最後に簡単にまとめておきます。

・株とは、「企業が事業に必要な資金を集めるために発行する証書」である。
・元本割れのリスクがあるが、投資額以上の責任を負うことはない
「ハイリスクハイリターン型」の金融商品である。
「配当金」「売却益」「株主優待」等の権利を享受することができる。

株は資産運用という観点でも非常に魅力的な金融商品だと思います。これから株を始めてみたいという方は、まず株の特徴や株取引の仕組みなどの基礎知識を理解した上で始めてみてください!

では!!

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